こんにちは。スニーカー・ジャングル運営者のTAKAです。
スニーカーのメッシュ部分を漂白して真っ白に戻したいけれど、黄ばみが出ないか、オキシクリーンのような酸素系漂白剤を使っても大丈夫なのか、塩素系の漂白剤は危険じゃないのか……と、いろいろ不安になりますよね。洗面所でバケツを前に「これ、つけて本当に大丈夫かな……」と手が止まってしまう気持ち、よく分かります。
実際に、メッシュスニーカーの黄ばみや黒ずみ汚れ、メッシュ素材ならではの通気性の良さが裏目に出た汗ジミ、さらにはソールとの接着部分の変色まで、相談される内容は本当に幅広いです。メッシュスニーカーの汚れ落としや洗い方を間違えると、黄ばみが余計に目立ったり、生地がヘタったりして、せっかくのお気に入りが一気にくたびれて見えてしまいます。「あの時テキトーに漂白しなければよかった……」と後悔している人も少なくありません。
しかもメッシュスニーカーは、ランニングシューズやライフスタイルモデルなど、履くシーンもさまざま。部活や通勤で毎日のように履く一足だったりすると、「失敗したら替えがない」というプレッシャーもありますよね。だからこそ、どの漂白剤を選ぶべきか、水洗いしていい素材かどうか、つけ置き時間はどのくらいが安全なのかといった基本を、最初にしっかり押さえておくことが大事になってきます。
このページでは、スニーカーのメッシュ部分を漂白するときに押さえておきたい基本と、酸素系漂白剤を使った安全な洗い方、黄ばみが出やすい条件とその予防策まで、順番に整理して解説していきます。メッシュスニーカーをオキシクリーンなどでつけ置きする時の温度や時間の目安、水洗いできる素材と避けたほうがいい素材の見分け方も、実際にいろいろなモデルを洗ってきた経験ベースでまとめました。
この記事を読みながら手順を一つ一つ確認していけば、「どこまでやっていいのか」「どこからがやり過ぎなのか」がかなりクリアになるはずです。「とにかく失敗なく、スニーカーのメッシュ部分を漂白してスッキリさせたい」というあなたのために、必要なポイントだけをぎゅっと詰めているので、ぜひ手元の一足を思い浮かべながら読み進めてみてください。
この記事のポイント
- 水洗いできるメッシュスニーカーかどうかの判断基準
- 酸素系漂白剤を使ったメッシュ部分の具体的な洗浄手順
- 黄ばみが出るメカニズムと、再黄ばみを防ぐすすぎ・乾燥のコツ
- メッシュ漂白のリスクを減らす日常のケアと保管方法
スニーカーのメッシュ漂白を始める前に知っておきたいこと

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ここでは、そもそもメッシュ素材のスニーカーを漂白して良いのかどうか、水洗いOKな素材の見分け方、黄ばみが起きやすい条件など、作業前に知っておきたい土台の部分をまとめます。いきなり漂白剤につける前に、このパートをチェックしておくだけでも失敗リスクはかなり減らせます。「まだ何もしていないけど、すでにちょっと不安……」という段階で、一度落ち着いて読んでみてください。
メッシュ素材の特徴と洗える条件
メッシュスニーカーと一口に言っても、実際にはいろいろな素材の組み合わせがあります。代表的なのは、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維メッシュと、キャンバスやニットと組み合わせたタイプです。最近はリサイクルポリエステルやエンジニアードメッシュなど、繊維の細さや編み方を工夫したモデルも増えてきていますよね。
メッシュ素材のいちばんの特徴は、通気性と軽さです。編み目の隙間から空気が抜けやすいぶん、汗や熱がこもりにくく、ランニングや長時間歩行でも足がムレにくいというメリットがあります。その一方で、ホコリや泥、皮脂汚れも繊維の隙間に入り込みやすく、汚れが内部に留まりやすいという弱点も持っています。
基本的に、「水洗いOK」と表記された布・合成繊維のメッシュであれば、手洗い+酸素系漂白剤の併用という流れでケアしても大きな問題は起きにくいです。ランニング系やトレーニング系スニーカーは、アッパーが全面メッシュ+合成皮革という構成が多く、水洗いを前提にした設計になっていることもあります。
一方で、天然皮革やスエード、ヌバックなどのデリケート素材が大きく使われているスニーカーは、水洗い自体がNGのケースが多くなります。アッパーの半分くらいがメッシュでも、ヒール周りだけ高級レザーが使われているようなモデルだと、その部分から色落ちしたり、革が硬くなったりするリスクが一気に上がるんですよね。
チェックしたいポイントは、シューズ内側の洗濯表示タグと、ブランド公式のケアガイドです。タグのマークで水洗い不可になっている場合、メッシュ部分だけが布だからといって丸洗いしてしまうと、他のパーツがダメージを受けやすくなります。特に、接着剤でパーツを貼り合わせている部分は水分や熱に弱いことが多いので、無理は禁物です。
また、ミッドソールがEVAフォームや特殊な発泡素材の場合、高温のお湯や長時間のつけ置きで、弾力が落ちたり、変形したりする可能性もゼロではありません。ランニングシューズなど機能性重視のモデルは、フォームのヘタりが走り心地に直結するので、温度管理にはより気を配りたいところです。
目安としては、メッシュと合成皮革・ラバーの組み合わせのランニング系スニーカーは、短時間の手洗いであれば対応しやすいことが多いです。ただし、同じブランド・同じシリーズでも、年式やカラーによって素材構成が微妙に変わっていることがあります。必ず一足ずつ素材と表示を確認してからにしましょう。
「自分では判断がつかないな……」という場合は、一度シューケアショップで相談してみるのもアリです。プロ目線で「ここは水洗いOK」「ここは部分洗いまでにした方がいい」といったラインを教えてもらえるので、その一足に合ったケア方法が決めやすくなりますよ。
黄ばみ発生の主な原因を理解する
メッシュスニーカーの黄ばみは、単純に「汚れが残っているだけ」ではありません。主な原因は大きく分けて、洗剤や漂白剤の成分が残ったまま乾燥したケースと、ゴムソールや接着剤が経年劣化して変色したケースの二つです。この二つが単独で起きることもあれば、ダブルパンチで進行してしまっていることもあります。
特に、弱アルカリ性の洗剤や酸素系漂白剤を使ったあとにすすぎが甘いと、繊維の奥に残った成分が紫外線や空気中の酸素と反応して黄変しやすくなります。見た目にはきれいに見えていても、乾いたあとにうっすら黄ばんでくるのはこのパターンが多いですね。「洗った直後は真っ白だったのに、翌日見たらなんか黄色い……」というケースは、ほとんどが残留成分と日光のコンボです。
もうひとつは、ミッドソールやアウトソール、アッパーを貼り合わせている接着剤の黄変です。これは時間の経過による劣化がメインで、ゴムや樹脂が空気中の酸素と反応して酸化したり、紫外線で分解されたりすることで色が変わっていきます。白ソールが少しずつクリーム色になっていくのは、誰のスニーカーでも起きるごく自然な変化なんですよね。
ここに、雨水や土汚れ、汗などの成分が加わると、さらに黄ばみは濃くなります。特にメッシュアッパーは通気性が高いぶん、汗を吸ったあとにそのまま放置されがち。インソールの裏側やつま先の奥など、普段あまり目にしない部分からじわじわ変色が始まることもよくあります。
黄ばみを抑えるために意識しておきたいのは、「汚れをためない・アルカリを残さない・直射日光を避ける」という3つの基本です。履いたあとにブラッシングでホコリを落とす、雨の日に履いたらしっかり乾かす、洗ったあとはぬめりや泡が残っていないか念入りにチェックする――地味ですが、このあたりの積み重ねが効いてきます。
黄ばみ全般については、より広いケースをまとめたスニーカーを洗ったら黄ばんだ時の対処と予防ガイドでも詳しく解説しています。メッシュスニーカーだけでなく、キャンバスやレザーの黄ばみもまとめてチェックしたいときは、そちらもあわせて読んでもらうと全体像がつかみやすいかなと思います。
もちろん、どれだけ気をつけていても、素材の寿命としての黄ばみをゼロにすることはできません。ただ、「何もしないで放置している状態」と「こまめにケアしている状態」では、数年後の見た目にかなり差が出てきます。お気に入りの一足を少しでも長くきれいに履きたいなら、この仕組みだけでも頭に入れておくと、日々の扱いが変わってくるはずです。
酸素系漂白剤を使う前の準備ポイント

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酸素系漂白剤は、メッシュスニーカーの汚れやくすみを落とすのに頼れる相棒ですが、いきなりドボンとつけ置きするのはおすすめしません。事前準備をサボると、せっかくの漂白力が半減したり、ムラになったりしがちなんですよね。ここでは、作業前に最低限やっておきたいポイントを整理しておきます。
靴ひも・インソールを必ず外す
まずはシューレースとインソールを外すところからスタートです。面倒に感じるかもしれませんが、このひと手間で仕上がりと乾きやすさがかなり変わります。ひもを通したままだと、アイレットまわりに汚れや洗剤が残りやすく、乾いた後に輪っか状の黄ばみが出てしまうこともあります。
インソールも同様で、アッパーに入れっぱなしだと、内部に水分と汚れがたまり、臭いの原因になりがちです。取り外せるタイプであれば、必ず別で洗って、別でしっかり乾かしましょう。取り外し不可の一体型インソールの場合は、無理に剥がさず、そのままブラッシングと拭き取りでケアします。
乾いた状態でブラッシングしておく
泥や砂、ほこりがしっかり付いたまま漂白液に入れると、汚れ成分が溶け出して水が一気に濁り、洗浄力が落ちてしまいます。場合によっては、泥水のような液がメッシュの中に入り込んで、逆に汚れを広げてしまうこともあるんですよね。
なので、まずは乾いた状態でソールとメッシュ全体をブラシで払うことからスタートしましょう。アウトソールの溝に挟まった小石や砂を落とし、ミッドソールに付いた泥をざっくりと削り落としてから、アッパーのメッシュを軽く撫でるようにブラッシングしていきます。ここでしっかり「乾いた土汚れ」を落とせるかどうかが、その後の漂白の効きに大きく影響してきます。
色落ちチェックをしておく
白ベースのメッシュでも、ロゴやパイピングに色付きパーツが使われていることがあります。ブランドロゴの刺繍やサイドラインなどは、意外と色移りしやすいポイントです。そこで、目立たないかかと内側やタン裏などに薄めた漂白液を少量つけて、数分置いてから水で流し、色がにじまないか確認しておくと安心です。
チェックのときは、いきなり高濃度で試すのではなく、本番よりも少し薄めの漂白液でテストするのがおすすめです。そこでもし変色が見られた場合は、そのモデルに漂白は向いていないと判断し、中性洗剤での手洗いに切り替えたほうが安全です。「ちょっとくらいなら大丈夫でしょ」と突っ込むと、取り返しがつかなくなることもあるので、本当にここは慎重でいきましょう。
準備段階で、洗面所や風呂場の床にもタオルや新聞紙を敷いておくと安心です。漂白液が飛び散って床材を傷めるリスクも減りますし、作業後の片付けもぐっとラクになります。ゴム手袋とエプロンも、できれば最初から用意しておきたいところですね。
ここまでの準備が整ってから、ようやく「じゃあ漂白液を作ろうか」というステージに進みます。ちょっと工程が多いように感じるかもしれませんが、一度流れを覚えてしまえばルーティン化できますし、結果的に仕上がりも長持ちしやすくなるはずですよ。
避けたい素材混在スニーカーの見分け方
メッシュスニーカーだからといって、すべてが気軽に漂白できるわけではありません。メッシュとレザー、メッシュとスエード、メッシュと天然ゴムソールの組み合わせなど、素材が複雑に混在しているモデルは要注意です。見た目は「ほとんどメッシュ」に見えても、部分的にデリケートな素材が使われていることがよくあります。
たとえば、カジュアルラインのスニーカーでありがちなのが、つま先とヒールだけ本革をあしらったデザイン。こういうモデルは、メッシュ部分は水洗いOKでも、レザー部分が水とアルカリに弱く、染料が流れたり、革が硬くなったりします。結果として、メッシュに色が移ったり、表面がまだらにムラになったりしてしまうんですよね。
同じように、スエードやヌバックが使われているモデルも、基本的には水洗いと漂白は避けたいところです。スエードは起毛を活かした質感が魅力ですが、水に濡れると毛足が寝てしまい、ゴワゴワした手触りになってしまいます。一度こうなってしまうと、専用のスエードブラシでケアしても元通りに戻すのはかなり難しいです。
ソール側にも注意ポイントがあります。特にヴィンテージ系やクラシックランニング系のスニーカーでは、天然ゴムソールや、経年とともに味が出るような配合のミッドソールが使われていることがあります。こうしたソールは、強いアルカリや高温で急激に劣化が進んだり、ひび割れを起こしたりする可能性があります。
| 種類 | 向いている用途 | メッシュスニーカーへの適性 |
|---|---|---|
| 酸素系漂白剤 | 汗ジミ・くすみ・軽い黄ばみ | 短時間のつけ置きなら比較的安全 |
| 塩素系漂白剤 | カビ・強い変色の部分的処理 | メッシュや接着剤を傷めるリスクが高く基本NG |
表はあくまで一般的な目安です。実際の適性はモデルごとに異なるため、正確な情報は各ブランドや製品の公式サイトをご確認ください。判断に迷う場合は、シューケア専門店などの専門家に相談するのが安心です。
見分けるときのコツとしては、まずアッパー全体をじっくり眺めて、「同じ素材でできている面積」と「素材が切り替わっている境目」を探すことです。縫い目やパイピングのあたりには、素材チェンジが隠れていることが多いので、そこを中心にチェックしてみてください。
「これはどう見てもメッシュ+合成皮革だけだな」と判断できれば、水洗い・漂白の候補にできます。一方で、「この部分の素材がよく分からない」「触った感じが明らかに違う」といった箇所がある場合は、無理に漂白まで踏み込まず、中性洗剤でのポイント洗いにとどめるのも立派な選択肢です。
何度も言うようですが、スニーカーはモデルによって素材構成も接着剤もバラバラです。1足でうまくいった方法が、別の1足でも必ず安全とは限りません。少しでも違和感があったら、一度立ち止まって情報を確認する。この慎重さが、お気に入りを長く保つうえではいちばん大事かなと思います。
汚れ落としに有効な事前ブラッシング方法
事前ブラッシングは、漂白の効きを左右する超重要ステップです。「どうせつけ置きするんだし、そこまで真剣にブラッシングしなくてもいいでしょ」と思われがちなんですが、ここをサボると、漂白液が汚れと戦う前に泥とホコリと戦う羽目になってしまいます。結果として、期待したほど白くならなかったり、ムラが出たりするんですよね。
おすすめの流れは、ソール → アッパーのメッシュ → 縫い目・ロゴ周りの順番です。まずアウトソールとミッドソールの溝に入り込んだ泥や小石を落とし、そのあとでアッパー全体を優しく払うようにブラッシングしていきます。ここで使うのは、毛足がやや硬めの靴用ブラシか、なければ歯ブラシでもOKです。
ソール部分では、特にヒール外側やつま先のラバー部は、地面との接地面積が大きいぶん、泥やアスファルトの粉がこびりつきやすいです。ブラシを斜めに当てて、溝に沿うようにゴシゴシとこすり、固まった汚れをかき出していきましょう。この段階でソールが「なんとなく白っぽくなってきたな」と思えるくらいまで落とせていると、その後の作業がかなり楽になります。
次に、アッパーのメッシュ部分です。ここはゴシゴシこするのではなく、「ホコリを払う」「繊維の間のゴミを浮かせる」イメージで、斜め方向にブラシを動かすのがポイントです。メッシュの目に対して直角にブラシを当てるよりも、斜めに滑らせるように動かしたほうが、繊維に負担をかけずに汚れを浮かせやすくなります。
縫い目やロゴ周りは、細かいホコリがたまりやすい場所です。歯ブラシの先端を使って、縫い目に沿って小刻みに動かしていきます。ここは、実際に漂白液を使ったときにも汚れが残りやすいエリアなので、事前に丁寧に払っておくほど仕上がりが均一になってくれます。
ブラシは、靴用ブラシがベストですが、なければ柔らかめの歯ブラシでも代用できます。逆に、メラミンスポンジのように削る力が強いアイテムは、メッシュやプリントを傷めるので避けたほうが無難です。ソール側面だけに限定して使うならアリですが、アッパーには絶対に使わないようにしましょう。
ここまでブラッシングできたら、あとは軽くトントンと靴底を叩いて、内部に残っている砂やほこりを落とします。特にランニングで使ったスニーカーなどは、インソールの下やつま先の奥に砂が溜まりがちなので、さかさまにして数回振っておくといいですよ。
「なんだかんだでブラッシングだけでだいぶきれいになったな」と感じられたら、その時点で漂白に進まず、中性洗剤での手洗いだけで様子を見るのも選択肢です。漂白はあくまで最終手段。ここまでの工程を丁寧にやるだけでも、かなり汚れは落ちるので、無理に強いケアに行かなくてもいいケースもたくさんあります。
乾燥環境が仕上がりに与える影響
メッシュスニーカーの漂白は、洗って終わりではありません。どこで・どうやって乾かすかが、黄ばみ防止と型崩れ防止に直結します。ここを軽く見てしまうと、「洗った直後は良かったのに、乾かしたら全体的に黄ばんで見える……」という残念な結果になりがちなんですよね。
理想的なのは、風通しの良い日陰で、つま先からかかとまでしっかり空気が通る状態で乾かすこと。ベランダの壁際や、玄関近くの窓辺など、直接日差しが当たらず、でも空気が動いている場所がベストです。窓を少し開けておき、そこに突っ張り棒などを渡してスニーカーを吊るす、なんてやり方もおすすめです。
新聞紙やキッチンペーパーを軽く丸めてつま先に詰め、形を整えながら乾燥させると、シワやヨレも出にくくなります。このとき、ぎゅうぎゅうに詰め込みすぎると、内部まで風が通らず乾きが遅くなるので、あくまで「ふんわり軽く」入れるイメージでOKです。途中で一度紙を取り替えると、より短時間でしっかり乾かしやすくなります。
直射日光に長時間さらすと、メッシュの繊維やソールのゴムが急激に劣化し、黄ばみやひび割れの原因になります。特に真夏のベランダで一日中ガンガン日光を浴びせ続けると、ほんの数回の洗濯でも素材の劣化が目に見えて早まることがあります。早く乾かしたいときほど、扇風機やサーキュレーターで風を当てる方法を選ぶのがおすすめです。
また、乾燥中の置き方にも気を配りたいところです。ソールを下にして床にベタ置きすると、底面が乾きにくく、結果的に全体がしっとりした状態のまま長時間放置されることになります。できれば、かかとを上にして立て掛けるか、紐をハンガーに結んで吊るすなど、空気がぐるっと回りやすいポジションを確保してあげましょう。
乾燥時間の目安は、気温や湿度にもよりますが、半日〜1日程度を見ておくと安心です。完全に乾く前に履いてしまうと、内部に残った水分と汚れがダメージにつながる可能性があるので注意してください。また、浴室乾燥機を使う場合は、高温モードではなく、できるだけ低めの温度設定にして、様子を見ながら時間を調整していくのが安全です。
最後に、乾いたあとの保管環境も大切です。湿気が多いクローゼットの奥や、直射日光が当たる窓際に置きっぱなしにしていると、せっかくきれいにしたメッシュがまた黄ばみやすくなります。風通しの良いシューズラックや、除湿剤を置いた靴箱など、なるべく状態の安定した場所を選んであげると、コンディションが長持ちしやすいですよ。
スニーカー メッシュ漂白で効果を出す具体的手順

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ここからは、実際に酸素系漂白剤を使ってメッシュスニーカーを洗う手順を、温度やつけ置き時間の目安と合わせて解説します。家庭で無理なく再現できる流れにしているので、手元にバケツとブラシ、ゴム手袋さえあればすぐに試せるはずです。順番どおりに進めていけば、途中で迷うポイントも少ないと思うので、一緒にイメージしながら読み進めてみてください。
酸素系漂白剤の選び方と基本知識
メッシュスニーカーの漂白に使うのは、粉末タイプの酸素系漂白剤が基本です。代表的なのは、オキシクリーンやワイドハイター系の粉末タイプで、過炭酸ナトリウムを主成分としたものが多くなります。水やお湯に溶けると酸素の泡が発生し、その泡が汚れを浮かせて落としてくれるイメージですね。
液体タイプの酸素系漂白剤もありますが、粉末タイプのほうが発泡力や汚れ落ちの面で強力な傾向があります。とはいえ、どちらも「万能」ではなく、あくまで中性洗剤で落としきれない汚れを後押ししてくれる存在と考えておくのがちょうどいいです。まずはブラッシングや中性洗剤での洗浄をベースにして、そのうえで「もう一声ほしい」ときに酸素系漂白剤を足していくイメージです。
選ぶときのポイントは、次の3つです。
- 「酸素系」と明記されているかどうか(塩素系と間違えないように)
- 色柄物にも使用可能なタイプかどうか(ロゴやカラー部分を守るため)
- 使用できる素材・使用不可の素材がはっきり書かれているか
パッケージの裏面には、「使えるもの/使えないもの」「使用量の目安」「注意事項」がかなり細かく書かれています。ここをさらっと流してしまう人も多いんですが、スニーカーに使う前には、一度落ち着いて読み込んでおくことをおすすめします。
塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)は、メッシュやゴム、接着剤へのダメージが大きく、色付きパーツの変色リスクも高いため、基本的にメッシュスニーカー全体への使用は避けたほうが安全です。どうしても一部のソールだけに使う場合でも、ごく短時間・ごく狭い範囲にとどめることを強くおすすめします。
また、酸素系漂白剤は、冷たい水よりぬるま湯で使ったほうが反応が早く進むことが、メーカーの情報でも案内されています。たとえば花王のワイドハイターの公式Q&Aでも、「冷たい水よりは、ぬるま湯で使うほうが効果が早くでます」と説明されています(出典:花王「衣料用漂白剤 ワイドハイター Q&A」)。ただし、衣類の洗濯表示に書かれた上限温度を超えない範囲で使うことが大前提です。
各漂白剤の正確な使用条件や希釈倍率は、必ずパッケージや公式サイトで確認してください。ここで紹介している内容はあくまで一般的な目安なので、最終的な判断は製品説明や専門家のアドバイスを優先しましょう。安全に使うためにも、「だいたいこんな感じかな」ではなく、一度は取扱説明をきちんと読んでおくのがおすすめですよ。
つけ置きに適した温度と時間の目安
酸素系漂白剤は、40〜50℃前後のぬるま湯で最大限に力を発揮します。お風呂の残り湯を少し熱めに足して調整するか、給湯温度を少し高めに設定してバケツにお湯をためるとちょうどいい温度帯になりやすいです。手で触って「ちょっと熱いけど、我慢すれば触っていられる」くらいがイメージしやすいかなと思います。
希釈の目安は、「お湯4Lに対して付属スプーン1杯前後」。これは多くの酸素系漂白剤で共通している目安ですが、製品ごとに推奨量が違うこともあるので、必ず使用量の欄を確認してから計量してください。少なすぎると効果が出にくく、多すぎると素材への負担が増えたり、すすぎ残しのリスクが上がったりします。
つけ置き時間は、汚れ具合と素材によって変わりますが、メッシュスニーカーの場合は30分〜2時間程度が上限と考えておくと安心です。軽いくすみ程度なら30分前後、なかなか落ちない黄ばみや汗ジミなら1時間〜2時間というイメージですね。ただ、2時間を超えて長時間つけっぱなしにするのはおすすめしません。
長時間つけすぎると、メッシュのコシがなくなったり、ソールとの接着に負荷がかかる可能性があります。また、お湯の温度も時間とともに下がっていくので、最初の1時間と比べて後半はほとんど反応していない、なんてこともあります。効果と安全性のバランスを考えると、「適切な濃度で、適切な時間にとどめる」のがいちばん効率的です。
つけ置き中は、10〜15分おきに軽く揺すってあげると、汚れが均一に浮きやすくなります。汚れがひどい部分は、途中で一度取り出してブラシで軽くこすり、再度つけると効率的です。時間を置けば置くほど良いというわけではないので、「反応が活発な最初の30分〜1時間をどう活かすか」を意識してみてください。
温度管理に関しては、洗濯表示の上限温度も必ずチェックしましょう。表示に「30」とあれば30℃以下、「40」とあれば40℃以下で使うのが基本です。スニーカーの場合、衣類ほど細かく表示されていないこともありますが、「素材的にもこれは高温は危なそうだな」と感じたら、無理せずぬるめのお湯から試すのが安心です。
ブラッシングで汚れを浮かせる洗浄手順

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つけ置きが終わったら、いよいよブラッシングです。このステップでのポイントは、「繊維の中から汚れを押し出すイメージで、同じ方向に優しくブラシを動かす」ことです。ここを雑にやってしまうと、せっかく漂白液で浮かせた汚れが完全に外に出きらず、乾いたときにまだらなムラになって残ってしまいます。
まず、つけ置き液の中で軽く振り洗いして、大きな汚れを浮かせます。そのあと、バケツから取り出して、別のきれいなぬるま湯を用意し、そこに靴をひたしながらブラッシングします。こうすることで、漂白液に溶け出した汚れが再付着するのを防ぎやすくなりますし、ブラシに付いた汚れもその都度流れてくれるので、効率が良くなります。
ブラシの動かし方のコツ
- メッシュ部分は、繊維の目に沿って斜め方向に動かす
- 縫い目やロゴ周りは、歯ブラシの先端を使って小刻みに動かす
- ソール側面は、やや力を入れて円を描くようにこする
メッシュ部分をこするときは、力を入れすぎないことが大事です。ゴシゴシと押し込むようにこすると、繊維が毛羽立ってしまい、表面がザラザラした見た目になってしまいます。軽い力で、シャッシャッと一定方向にブラシを動かすだけでも、つけ置きで浮いた汚れはしっかり落ちてくれます。
縫い目やロゴ周りは、汚れが溜まりやすく、かつ洗い残しが目立ちやすいエリアです。ここは歯ブラシの先を使って、縫い目に沿って細かくブラッシングしていきます。特にロゴのエッジ部分は、汚れが線のように残りがちなので、少し時間をかけて丁寧に攻めてあげると仕上がりに差が出ます。
ソールの側面は、泥はねやアスファルト汚れがこびりつきやすい場所です。ここだけは多少力を入れて、円を描くようにこすってOKです。ただし、ソールとアッパーの境目は接着剤が露出していることもあるので、あまり強くこすりすぎると、そこから剥がれの原因になってしまうことがあります。境目だけは力加減を少し弱めに意識しておきましょう。
仕上げに、アッパー全体を軽く指で押してみて、泡が出なくなるレベルまでブラッシングとすすぎを繰り返しておくと、その後の黄ばみ予防にもつながります。泡が出ているうちは、まだ洗剤や漂白剤の成分が残っているサインです。「泡が見えなくなるまで」が一つのチェックポイントになりますよ。
すすぎ不足による再黄ばみを防ぐ方法
メッシュスニーカーを漂白したあと、「乾かしたらうっすら黄色くなった」というケースの大半は、すすぎ不足が原因です。見た目の泡が消えても、繊維の内部にはまだ洗剤や漂白成分が残っていることが多いんですね。その残った成分が、乾燥中に空気中の酸素や紫外線と反応して黄変してしまいます。
再黄ばみを防ぐためのポイントは、次の3ステップです。
- 流水で1〜2分、全体をしっかりすすぐ
- 一度水をためたバケツに沈め、押し洗いで成分を押し出す
- 再度流水に切り替え、泡が一切出なくなるまで追加で1〜2分すすぐ
最初のすすぎでは、つけ置き液とブラッシングで浮いた汚れをざっと流します。ここで靴を傾けながら、水がメッシュの内側までしっかり通るように意識してみてください。つま先やかかと側は特に溜まりやすいので、指で軽く押しながら水を通してあげると良いです。
次に、きれいな水をためたバケツにスニーカーを沈め、両手でぎゅっと押したり、軽く持ち上げたりを繰り返します。これは、スポンジを水の中で押し洗いするときと同じイメージです。押したときに白い泡が出てくるうちは、まだ成分が残っている証拠なので、その泡がほとんど出なくなるまで数回繰り返しましょう。
最後に、再度流水にもどし、泡が一切出なくなるまで追加で1〜2分すすぎます。ここでは、インソールを外している場合はインソール単体も同じようにしっかりすすいでください。意外と見落としがちですが、インソールのスポンジ部分に成分が残っていると、そこから黄ばみや臭いが出てくることもあります。
黄ばみ対策や酸素系漂白剤の併用テクニックについては、より踏み込んだ内容をスニーカーの黄ばみに激落ちくんは最適?他の方法と比較する記事でも解説しています。強い洗浄力のアイテムを組み合わせる場合は、素材への負担も増えるため、必ず少量から試し、最終的な判断は専門家に相談するようにしてください。
すすぎをしっかりやると、その分だけ乾燥時間も少し伸びますが、黄ばみとトレードオフだと考えれば、ここは惜しまず時間をかけたいところです。「泡が見えなくなるまで」が習慣化できれば、再黄ばみのリスクはかなり下げられるはずですよ。
仕上げとしてのスニーカー メッシュ漂白のまとめ
ここまで、メッシュスニーカーの漂白について、準備から乾燥まで一通りの流れを解説してきました。最後に、スニーカーのメッシュ漂白で失敗しないためのポイントをあらためて整理しておきます。ここだけさらっと読み返せば、作業前のチェックリストとしても使えるかなと思います。
- まずは水洗い可能な素材かどうか、タグと公式情報で確認する
- メッシュと相性が良いのは酸素系漂白剤で、塩素系は基本NG
- 40〜50℃前後のぬるま湯で、30分〜2時間以内のつけ置きを目安にする
- 事前ブラッシングと念入りなすすぎで、汚れと洗剤成分をしっかり取り除く
- 乾燥は直射日光を避け、風通しの良い日陰でじっくり行う
メッシュスニーカーは通気性が良いぶん、汗やホコリが溜まりやすく、黄ばみも目立ちやすいアイテムです。ただ、日常的なブラッシングや、防水スプレーによる事前ケアを取り入れておくだけでも、漂白に頼る頻度をぐっと減らすことができます。たとえば新しくおろしたタイミングで防水スプレーを使っておけば、汚れが繊維の奥まで入りにくくなり、次回の洗浄もかなりラクになります。
防水スプレーとの付き合い方については、スニーカーに防水スプレーがいらない理由とメリット・デメリットを解説した記事も参考になると思います。防水のかけすぎで通気性が落ちてしまうパターンなども含めて、バランスの良い使い方を知っておくと心強いですよ。
ここで紹介した温度やつけ置き時間は、あくまで一般的な目安です。モデルやブランドによって適したケア方法は異なるため、正確な情報は必ず各製品の公式サイトや取扱説明書を確認してください。また、不安が大きい場合や高価な一足のケアをしたい場合は、シューケア専門店などの専門家に相談し、最終的な判断はそちらに委ねるのが安心です。
あなたのメッシュスニーカーが、また気持ちよく履ける一足として復活してくれたらうれしいです。焦らず、丁寧にケアしてあげてくださいね。
